映画相談所は、編集部へ寄せられた人生相談に、映画を紹介しつつこたえるコーナー。
普段からふざけたことばかり書いているライター陣が、いつになく真面目に皆さんのお悩みに答えます。
近所の日本人男性に嫌がらせされて困っています。
お悩み相談:43歳 女性
私が彼の悪口を言ってると勝手に思い込んで威嚇的な態度で、クソババアと怒鳴られたり、万引常習犯とか人に言ってるらしいです。普段ニックネームを使っているのが気に要らない、偽名使ってるとか怒鳴られたりしています。単に日本名だとこっちの人達が発音出来ないからという気配りのつもりなのですが、、、後、FBのプロフにフィルターかけてるとか文句言ってくるんです。そんなに嫌なら見ないようにといったんですが何度も言ってくるんです。そんなどうでも良い事をしつこく言ってくるのです。一度手紙を書いて、話しかけて欲しくないと伝えたのですが、嫌味を言うために話しかけてきて困っています。
彼は殺人罪でコチラの刑務所にかなり長期間服役していたそうで、変に怒らせて殺されたりしないかと不安です。引っ越しも考えましたが、なかなか難しい状況です。どうすれば遠くで静かに嫌って貰えるんでしょうか?
こんにちは、このコーナーには初めて登場するわかめです。
ヘビーなご相談ありがとうございます。
お悩み相談メールを読みながら、私も悩みました。類似する状況の映画があり、それを答えられるのか、という映画リテラシーを問われている状況であれば、降参です。そんな状況の映画はまだ観たことがないです。
映画リテラシー監査であれば良いのですが、私なりに相談者さんの気持ちが楽になるようにお話していきたいと思います。
素敵なマインドの相談者さん
今回の相談者さんは、海外にルーツをお持ちの方のようですね。
近所の日本人男性に執着をされ、謂れのない非難を浴びせられてとてもお辛い状況だと察します。
発音をしやすいニックネームを使う、周りへの配慮もされているんですね。
また、お手紙で伝える勇気についても、スタンディングオベーションを送りたい気持ちです。
また、「どうすれば遠くで静かに嫌って貰えるんでしょうか?」と締めくくられている点がとても素敵なマインドをお持ちですね。
「嫌いにならないでほしい」、「いなくなってほしい」等ではなく相手が"嫌う自由"を尊重しつつ、自分の領域を侵されたくはない、という切実な気持ちを感じます。
そんなあなたを、Sabot Houseは応援したい。
これ、どんな状況?
近所にお住いの方に、心を乱されている状況のようです。
ただのご近所さんに粘着される、というのはなかなか想像し辛い状況です。ご近所関係が希薄な現代、ただ近所に住んでいるだけの関係性ではないのではないでしょうか。例えば、相談者さんが何らかのお店に勤めていて、名前を知られてしまった。回覧板を回すようなご近所さん。かつて職場の同僚であったり、同じコミュニティに属していた……。いずれにせよ、これほどの執着を持たれるなら、相手の好意が裏返しになってしまったのではないか、と推察します。
大変な人に嫌がらせをされてお辛いですね、私たちはあなたの味方です。
安全第一
まずはあなたの身を守ることが大切です。
元も子もないアドバイスをするなら、国家権力に頼りましょう。ストーカー行為に当たることをされているなら警察に相談しましょう。
ストーカー行為には該当しなさそう、誹謗中傷に該当する内容であれば、スマホで音声の録音をする等して、証拠を確保したうえで弁護士さんに相談してみるのもいいでしょう。
初回面談無料の窓口もネットで調べれば出てきます。あなたの権利が侵害されないように、周りに頼るのも手です。
ですが、我々の領分は映画相談。ここからは映画相談の流儀(?)で相談者さんのお悩み解決を考えてみましょう。
距離を取ろう
相談者さんのような境遇、つまり執着をされてしまうような状況の背景に好意があることがあります。
「愛しさ余って憎さが百倍」という言葉があるように、理想化に対する脱価値化が起こることは人間の心理としてあります。好意を過度に理想化し、その理想と違った部分を見つけた時に怒りを向けて相手をこき下ろしてしまうような状況です。
嫌がらせをされる前に、好意を向けられた時期はありませんでしたか?
勝手に過度な理想化され、勝手に過度な失望されたという経緯があるのではないかと思います。全く迷惑な話ですね。
本当は引っ越しをしてでも距離を取ることをお勧めします。
隣町程度の近場への引っ越しでも、生活圏が少し変われば相手と接触してしまうような機会も減るのではないでしょうか。
百年の恋を冷ませ!
過度な理想化が執着の背景にあると仮定してきました。
恋の魔法と執着の呪いは、裏表です。そこで、恋の魔法が解ける方法を実践してみるのはいかがでしょうか?
「百年の恋も一時に冷める」ということわざがあるように、相手の百年の恋を冷ましてしまえばいいのです。
映画のストーリーは関係ないのですが、シャーリーズ・セロンを参考にしてみましょう。
彼女は2003年に『ミニミニ大作戦』で持ち前の美貌を発揮しましたが、同年に実在の連続殺人犯を演じた『モンスター』では、これまでのイメージと大きく異なった容姿で観客を驚かせました。
「え、誰?」ってぐらい変貌してしまえば、攻撃の相手が誰かもわからずうやむやになるかもしれませんね。
とはいえ、あなたの生活と安全が第一です。無事でしたら、お問い合わせに続報をお待ちしています。