なぜ頭を刈り上げるという選択を避ける人が多いのだろう。
確かに、私が坊主にしていると、久しぶりに会う友人に「何をやらかしたん?」や「お勤めご苦労様です!」と言われる始末である。
謝罪やアウトローのイメージと同時に、仏門に入った僧侶や野球少年のイメージも混在する坊主とは、なんと不思議な存在だろう。
坊主という髪型は、元の素材のみで勝負をするスッピンのようなものだ。本当のイケメンは、奇抜な髪型で魅せる必要はなく、坊主にしてもかっこいい。
前回の記事では坊主イメージの強い俳優を中心に紹介したが、今回は “坊主にしても” かっこいいイケメン俳優たちを紹介しよう。
ユアン・マクレガー
『トレインスポッティング』
青春映画の傑作『トレインスポッティング』に登場するユアン・マクレガーはご存知の通り坊主姿だった。
この作品に出演するまでは無名だったが、今作でジャンキーの青年、レントン役を演じてトップスターに上り詰めた。それまでは肩まで伸ばしていた髪をバッサリと刈り上げ、ガリガリになるまで体重を落として役作りをしている。
ヘロイン中毒で怠惰な日々を送っている不良のレントンだが、あの危険な香りが魅力的だ。薬物は絶対にダメだが、坊主にぴちぴちのTシャツで彼のかっこよさに近づこう。似合うかどうか、ハードルは高そうだが……。
ジェームズ・マカヴォイ
『スプリット』
2011年の『X-MEN:ファーストジェネレーション』では髪がふさふさなプロフェッサーXだったが、2016年の『X-MEN:アポカリプス』では待望の断髪を果たした。2019年6月に公開を控えたX-MENシリーズ最新作『X-MEN:ダークフェニックス』への出演まで、彼は髪を伸ばす暇がないほど、坊主役を演じ続けている。
出演のタイミングによる偶然かもしれないが、『スプリット』での坊主は演出面でも秀逸だと感じた。記事の冒頭でも述べたが、坊主とはスッピンである。解離性同一性障害の役柄を演じる上で、様々な人格を表現するために髪の毛は余計であるとも言える。
スッピンの坊主だからこそ、様々な人格を映し出す役柄を巧妙に演じ切ることができたのではないだろうか。
坊主であってもそのかっこよさは衰えず、彼の知的な印象を高めている。
マッツ・ミケルセン
『プッシャー2』
マッツ・ミケルセンは現代のイケてるおじ様の代表と言っても過言ではないだろう。イケメン、セクシー、男前、渋い、可愛い等、すべての賞賛の言葉が当てはまる上に、そんな言葉だけでは表現できない魅力は「北欧の至宝」と称されている。
『007 カジノ・ロワイヤル』での悪役ル・シッフル役で知名度を高め、ドラマ版の『ハンニバル』のハンニバル・レクター役でファンになった方も多いだろう。
2004年のデンマーク映画『プッシャー2』では見事なスキンヘッドを披露している。出所したばかりの麻薬の売人役ということで、現在の紳士イメージとは正反対の役柄を演じている。
スキンヘッドの強面も相まって、目付きのセクシー度が臨界点を突破している。髪がふさふさでもつるつるでも、北欧の至宝の尊さは変わらない。
ジェシー・アイゼンバーグ
『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』
2010年に主演した『ソーシャル・ネットワーク』でマーク・ザッカーバーグ役を演じ、名実共にトップスターの仲間入りをした、ジェシー・アイゼンバーグ。くりくりのくせ毛が印象的だが、坊主にしていた時期もある。
2016年の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のレックス・ルーサー役でスキンヘッドになり、同年の『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』では少し髪を伸ばした姿を見せた。
同作では、スキンヘッド・坊主界隈だと「ロン毛」と判断されるくらいに髪は伸びているが、非常にさっぱりしていて好印象である。制作の情報はまだないが、彼が再びレックス・ルーサーを演じて、形の良い坊主姿をまた拝めることを祈るばかりだ。
トム・ハーディ
『ブロンソン』
トム・ハーディは、定期的に頭を刈り上げる俳優だ。2002年の「スタートレック」シリーズの劇場版『ネメシス/S.T.X』で演じたシンゾン役はスキンヘッドで神秘的な印象だ。
2008年の『ブロンソン』では、スキンヘッドにカイゼル髭、2012年の『ダークナイト・ライジング』のベイン役でもスキンヘッドにマスク、と年を追うごとにいかつくなっている。
最近では『ヴェノム』のヒットも記憶に新しい。CGではあるが、ヴェノムも一種のスキンヘッドと言えるだろう。
誰もが認める男前の彼は短髪もとても似合うが、新作の情報が出るたびに、「そろそろ丸刈りかな?」と期待してしまう、魅惑の坊主俳優の1人である。
テレンス・ハワード
『Empire 成功の代償』シーズン2
「セクシーな男性俳優は誰か」と問われれば、テレンス・ハワードは五本の指に入るだろう。ぽっちゃりとした体形ながらも、端正な顔立ちにヘーゼルカラーの目、それに甘い声が魅力的な彼は大人の色気を醸しまくっている。
彼はショートヘアの印象も多いが、きっちりと坊主に仕上げている時期もある。人気ドラマシリーズ『Empire 成功の代償』シーズン2では、画像の通りに一番髪の毛が短くなっている。
2008年の『アイアンマン』ではローズ中佐を演じていたが、1作目のみで残念ながら降板となっている。ドン・チードルのローズ中佐も好きだが、彼がまだアベンジャーズのメンバーだったら、と想像してしまうのは私だけではないだろう。
チャニング・テイタム
『ステップ・アップ』
2006年の青春映画『ステップ・アップ』では、見事な筋肉に坊主姿で、ダンスに目覚める不良高校生役を演じている。当時の彼は26歳だが、高校生さながらの爽やかさに溢れている。顔も肉体美もそうだが、坊主が爽やかさの秘訣だろう。
2012年の『マジック・マイク』では、ストリッパー役を熱演し、同年に『ピープル』誌が選ぶ “最もセクシーな男性” に選ばれている。
彼がどれだけセクシーかというと、深夜トーク番組の「ジミー・キンメル・ライブ!」で、ジェイミー・フォックスが「I Wanna Channing All Over Your Tatum」（訳：あなたのテイタムをチャニングしたい）という歌を作ってしまった程だ。
MVには、『プレシャス』のガボレイ・シディベや、マイリー・サイラス、マット・デイモンまで出演している。意味のわからない歌詞で笑いが止まらないMVなので、是非下部に張り付けた動画を観ていただきたい。フィーリングで彼の尋常ならざるセクシーさを感じ取ることができるだろう。
まとめ
今回は、坊主にしてもかっこいいイケメン俳優を7名紹介した。正直、まだまだ紹介し足りないほどだ。
「坊主はちょっと……」と嫌厭する方もいるかもしれないが、坊主姿はダサいものではなく、おしゃれである。そのことは、今回紹介したイケメン俳優たちで証明できただろう。
人気俳優でも、スキンヘッドや坊主を経験している人はとても多い。役作りの一環だろうが、普段の姿と一味違う坊主姿のギャップはとても良いものだ。
ということで、たまにはギャップを見せるという意味で一度は坊主にしてみよう！
