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「アベンジャーズ」の意味とは?語源からリベンジとの違いまでざっくり解説

2019/05/29

2019年4月26日(金)、日本でも大人気のアメコミヒーローシリーズ最新作『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されました。

ヒーローたちが集結する1本目の映画『アベンジャーズ』が公開されたのが2012年ですから、「アベンジャーズ」という単語を聞きなれた方も多いのではないでしょうか。ですが、その単語の意味を聞かれたら、少し困ってしまいませんか?

この記事では、アベンジャーズという単語に一体どんな意味があるのか簡単に解説していきます。

「アベンジャーズ」の意味

© 2014 - Marvel

結論から言うと、「アベンジャーズ」という単語は『復讐者たち』を意味します。

「アベンジャーズ」は、英単語である “avengers” を片仮名で表記したもの。より深くこの単語を理解するために、この単語を少し分解してみましょう。

英語としての “avengers” は、以下の3つの要素から成り立っています。

avenge - er - s

最初の “avenge” は「復讐する」という意味の動詞です。

2つ目の “er” は、「player(プレイヤー)」「destroyer(デストロイヤー)」などでも使われる「~する人」という意味があります。

言わずもがなかもしれませんが、残る “s” は「複数形のs」です。

ということで、avenge - er - sは「復讐する」「人」「たち」という意味になりますので、『復讐者たち』と訳されるわけです。

avengeの語源

実は「アベンジャーズ」という単語の主な要素である “avenge” も、いくつかの要素に分解することができます。

“avenge” の起源はラテン語にあります。この単語は、ラテン語で「する」という意味の “ad” と「疑念を晴らす」「正当性を示す」という意味の “vindicare” から成り立っているのです。

ですが、これらラテン語の言葉を組み合わせて使い始めたのは、古期フランス語だと言われています。先程の “ad” が変化した “a” と、“vindicare” が変化した “vengier” を組み合わせ、“avengier” という単語が生まれました。

フランス語に組み込まれた過程で単語の解釈も少し変わり、「復讐する」という意味になりました。

そして “avengier” が英語圏でも使われるようになり、現在の “avenge” (復讐する)という動詞になったのです。

また、avengeと同じく「復讐する」という意味の “revenge(リベンジ)” も、ラテン語の “vindicare” から派生したものだと言われています。

こちらはカタカナ語として日本語でもよく使われますから、同じ起源と覚えておくと良いでしょう。

avenge vs. revenge

同じ起源をもつ “avenge” と “revenge” ですが、実は少し異なるニュアンスを持つ言葉なんです。

それぞれ簡単に言ってしまうと「復讐する」という意味ではありますが、もう少し細かい意味を見てみましょう。

avenge: 悪事に対して正義の制裁を下すこと。
revenge: 個人的な報復をすること。

つまり、 “avenge” は大義の下に復讐(制裁)を行うことで、“revenge” は個人的な復讐(報復)を行うことを指すのです。

「アベンジャーズ」に込められた意味

© Marvel Studios 2019

さて、「アベンジャーズ」という言葉の意味を解き明かしたところで、映画に出てくる「アベンジャーズ」という名前に込められた意味を考えてみましょう。

作品を追うごとに「復讐者たち」という意味が濃くなっている印象を受ける方も多いかもしれませんが(最新作『エンドゲーム』では特に)、やはりその根幹にあるのは悪に制裁を加える「正義の集団」としてのアイデンティティです。

その名に込められた想いが一番表れているシーンを、『キャプテン・マーベル』で見ることができます。

「アベンジャーズ」の名付け親であるニック・フューリーは、地球を危機から救える集団を「プロテクターズ(守護者たち)」と名付けようとしていましたが、キャプテン・マーベルのかつてのコールサインであった「アベンジャー」にちなんで名前を決めたのです。

守る、だけでは足りない。そして、個人的な復讐に走るような者たちでもない。あくまでも悪に制裁を下すために結成された “正義の集団” なのです。

劇中では何かとメンバー同士の思惑が交差する団体ではありますが、その芯には「正義の制裁を下す」という大義が変わらずに存在すると考えると、少し違った目線で映画を観れるのではないでしょうか?

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Sabot House 編集部

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