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『ハリーポッターと炎のゴブレット』イケメンから学ぶ処世術

2019/01/21

© 2005 Warner Bros. Entertainment Inc. - Harry Potter Publishing RightsJ.K.R.

【ネタばれ有】

世の中をうまく生きていくにためには処世術が欠かせない。それを身につけられれば、人間関係は大体うまくいく。また、ほとんど関わりのない人間からの評価も悪いものにはならないはずだ。

そんな身につけられれば損は無しな処世術だが、それを学ぶことのできるキャラクターがいる。『ハリーポッターと炎のゴブレット』に登場する「セドリック・ディゴリー」だ。

彼はイケメンで頭がよく、魔法使いとしての実力も申し分ないにも関わらず、悪評が全くない。彼に嫉妬した人間が少しくらい悪いうわさを流してもいいものだが、彼はそういう事態に陥らない。これは彼が優れた処世術も身につけているからだと言ってもいいのではないだろうか。

今回は世界的大ヒットファンタジー作品の第四作目にあたる『ハリーポッターと炎のゴブレット』を紹介しつつ、本作に登場するセドリック・ディゴリーから処世術を学んでいきたいと思う。

本作でハリーは4年目のホグワーツ生活を送ることになる。約100年ぶりに三大魔法学校対抗試合が開催され、各校の17歳以上の生徒から代表を一人選出することとなった。ホグワーツからはセドリック・ディゴリーが代表の1人として選ばれている。

年齢制限があることからハリーは蚊帳の外になるかと思いきや、敵の策略によりセドリックと一緒にホグワーツの代表に選ばれてしまう。競い合う相手は年上ばかりの中、順調に試合をこなしていくハリーだが、その先には暗い闇が待ち構えているのだった。

処世術その1:初対面の相手には適度な距離感を

みなさんは初対面の相手に対してどのような接し方をするだろうか。私は人見知りなので基本的に相手の流れに任せてしまうし、変に自分を取り繕ってしまうため、上手く話すことができない。そのせいで別れたあとにもっと上手く話せたらと思うことが多々ある。

逆に、相手に流れを任せてしまったせいで、疲れてしまうこともある。相手の距離の詰め方が独特であったり、無神経な物言いをするタイプであった場合だ。

こんな風にあまり初対面の人と接するのが私は得意ではない。本作の冒頭に、ハリーがウィーズリー家と一緒にクディッチワールドカップを観戦しにいくシーンがある。観戦に同行するセドリックを見て、初対面の相手への接し方を学ぶことがあった。

セドリックは初対面であったとしても無理に関わりを持とうとしない。相手を気遣って話しかけることもないし、無理に話を合わせることもない。いつも通り自然な状態でいるからこそ、相手から変に思われることはないだろう。自然な状態で意気投合した場合には、お互いにストレスのない関係が築けるのだろう。

人間と人間が初めて接点を持つ時に、最も重要視されるのは第一印象であり、特に容姿である。だから、身なりには気を付けよう。という話を私は何かのメディアで目にしたことがある。

この話が本当だとするならば、セドリックは容姿が整っているので、まずその時点で第一印象の問題はクリアできているから上記に書いたことが容易に成せるのだと思うかもしれない。

しかし、私のような別に容姿に恵まれていない人間であろうとも、身なりを整えることできっとカバーは効くはずだ。そのうえでセドリックの教えを享受し、初対面であろうと自分の普段通りの姿を晒していこう。きっと悪い評価にはならないはずである。

万が一、素の自分に問題があるという場合、まずはそこから改善する必要があるだろう。その場合は、完璧人間であるセドリックの振舞いから人に好かれる人間というものを学んでいってもらいたいと思う。

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処世術その2:嫌われ者には影でフォローを

私が学生の頃、同じクラスにいじめられっ子のA君がいた。毒にも薬にもなるパルプンテのような存在の「クラスの中心グループ」がA君に対しては毒として作用してしまい、A君はいじめられてしまった。

きっかけは些細なことだったと記憶している。学生の頃のクラスの中心グループというものは、社会人でいえば会社の上層部であり、ニートでいう脛をかじらせてくれる親のようなものである。基本的に逆らうことは愚行とされるのだ。

かといって、元々仲の良かった私は、みんなから無視されているA君を放っておくことができずに、クラスでも普通に接していた。これがクラスの中心グループは気に食わなかったようで、私も少し被害を受けることとなった。

このように生きていれば自分が意図していようがしていまいが、嫌われ者、いじめられっ子と出会うことはある。その時に私のようなことをしてしまうと自分が標的にされてしまうこともあるだろう。

ではそうならないためにはどうするか。これに対する回答も本作でセドリックは用意してくれていた。

本作において、ハリーは年齢制限があるにも関わらず、ホグワーツの代表選手に選ばれたことによって、なにかインチキをして代表選手になったのだと陰口を叩かれることになる。

陰口だけでは収まらず、魔法を利用した悪質な缶バッチまで学校にばらまかれ、ハリーの味方はほとんどいない状態に陥る。

そんな中でも心の優しいハリーはセドリックに課題に対する助言をするのだが、その時のセドリックのハリーに対する接し方がとても参考になるので紹介したいと思う。

セドリックには取り巻きがいて、彼らもその悪質な缶バッチをつけているのだが、セドリックはつけていなかった。セドリックはハリーを敵ではないと認識しており、それがハリーにも十分伝わるだろう。

そして、ハリーとの会話を誰にも聞かれないところで「バッチ外せっていったんだけど…」とすかさずフォローをいれたのだ。これはとても素晴らしい対応だと言えるのではないだろうか。

なぜなら、イケメンで人望もあるセドリックがハリーにとって敵ではないどころか、味方であろうとしてくれていると、たったこれだけのやり取りで思わせることができるのだ。きっとハリーも心強かったはずだろう。

自分はイケメンでもないし人望でもない。と思った人もいるかもしれない。それでもこのように表立っては力になれないけど、君の味方だよと暗に示してくれる人がいるとわかるだけで、嫌われ者やいじめられっ子は少しは救われるのではないだろうか。

まぁ主人公気質や正義感が強い人は真正面から敵とぶつかって、ハリーのような人間を直接救ってしまうのだろうが…。

処世術その3:負けるときは潔く

さて、弘法にも筆の誤りということわざがあるように、どれだけ完璧に見えるような人間にも間違えてしまうことはある。それはセドリックにも当てはまることだ。ただ、彼の場合その間違いの代償があまりにも高かった。

みなさんは、負けるとわかっても勝ちを諦めきれない状況を経験したことがあるだろうか。

セドリックは三大魔法学校対抗試合の第3の課題の迷路の中で、ゴール直前の動く茨に足を取られ脱落しそうになる。

その時に近くにいたハリーに勝負事の最中であるにも関わらず、助けを乞うてしまったのだ。完璧な人間にみえるセドリックであれども、優勝したいという気持ちは捨てきれなかった。

ハリーは一瞬見捨てようとしたが、彼の正義感か見事にセドリックを助ける。その後そのままゴールであるトロフィーの前に2人でたどり着く。そこで2人は自分は何々で助けられたと言い合いになるのだが、きりがないので一緒にトロフィーを取ることにした。

映画を見た人はご存知の通り、そのトロフィーはポートキーとなっており、彼らをリドルの墓まで移動させたのだった。そこにはハリーを三大魔法学校対抗試合に参加できるようにした黒幕のヴォルデモートとワームテールがいた。

そして勇敢でもあったセドリックは彼らに立ち向かうが、死の呪文で本当にあっさりと死んでしまうのだった。しかし、死んでもイケメンなセドリックは私たちに大切なことを教えてくれた。それは負けるときは潔く負けようということだ。

今回セドリックが亡くなってしまったのは、優勝することを諦めきれず、ハリーに助けを乞うたことが原因なのは明らかだ。なので、私たちは彼の死を無駄にはせず、負けたり失敗したりしたときは素直に受け入れることを大切にして生きていこう。

© 2005 Warner Bros. Entertainment Inc. - Harry Potter Publishing RightsJ.K.R.

死より怖いものはない

セドリックのようにイケメンで、頭もよく、優れた処世術をみにつけていたとしても、人生の大事な局面で失敗して取り返しのつかないことになることもある。

なので才色兼備ではない私が人間関係や他の面で失敗してしまうのは仕方のないことであり、そのあと成功するように努力することが大事であると実感した。

負けたり失敗してもやり直すことはできるが、セドリックのように死んでしまってはその先はなにもないのだから。

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Sabot House 編集部

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