【ネタばれ有】
『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が2022年3月11日に、日本で公開された。
これまでバットマン作品は何度も映画化されている。エンターテイメント色が強い、ティム・バートン版やDCEU版のバットマン。そして、ヒーローの影の部分も描き、ヒーロー映画ブームの火付け役となった、クリストファー・ノーランの「ダークナイト トリロジー」は伝説的な人気を誇っている。
様々な解釈により表現されてきたバットマンだが、今回は探偵映画として新たな解釈のバットマンが描かれた。
久々のバットマン単独作品は硬派で上質なサスペンスで、新しいヒーロー映画の始まりを感じさせる。約3時間という上演時間も全く気にならないほど、世界観に没入できる傑作だった。
今回は、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のキャストの魅力に触れつつ、作中で登場したあのURLにアクセスした結果を紹介しよう。
若きバットマン
今回、ブルース・ウェイン/バットマンを演じたのは、『トワイライト』シリーズや『TENET』等で注目されたロバート・パティンソンだ。
本作は、活動を始めて2年目の若きバットマンが描かれている。両親への復讐のために、ヒーローとして立ち上がったばかりの彼は、精神的に不安定である。喪失体験から立ち直れていない若者で、不健康な雰囲気はヒーローというよりも、ヴィランのようである。精神的には脆いが、物理的には歴代最硬の防御力を備えており、荒々しいアクションが良く似合う。
若さや危うさを備えた、完璧ではないバットマンをロバート・パティンソンが見事に演じ切っており、言葉だけでなく表情や、マスクから覗く目の演技にも注目していただきたい。
今回の悪役も魅力的
本作の悪役は、ナゾナゾ好きな知能犯のリドラーと凶暴なギャングのペンギンだ。
『バットマン フォーエヴァー』で、リドラーを演じたのはジム・キャリーで全身緑のタイツでなかなかサイケデリックなキャラクターだった。
『バットマン リターンズ』でペンギンを演じたのは、ダニー・デヴィートで、悲しい過去を持つ怪人の狂気と哀愁が印象的だった。
ダークナイトトリロジーが製作されていた当時、ジョニー・デップがリドラー役、ペンギン役をフィリップ・シーモア・ホフマンが演じるという噂があり、私は胸を躍らせていたことを覚えている。
本作では、サイコな悪役に定評のあるポール・ダノがリドラーを演じている。遂に彼も全身タイツに身を包むのかと楽しみにしていたのだが、本作ではカーキのマスクにジャケット、スケルトンの眼鏡というなかなかイケてる衣装で、不気味な知能犯を演じている。
ペンギンを演じたのはコリン・ファレルで、特殊メイクによってまるで別人に化けている。見た目だけでなく声やアクセントも別人で、コリン・ファレルの面影は無い。イタリアンマフィアとして再解釈されたペンギンも、本作の注目ポイントの一つだ。
リドラーからのメッセージ？
本作のメインヴィランであるリドラーは、様々な謎を振りまいてバットマンとゴッサム市警を混乱させた。その中でも印象的だったのは、「ラタ・アラーダ」である。スペイン語で「翼のあるネズミ」という意味だが、その言葉が示す対象について、バットマンも観客も翻弄されることとなる。
さて、劇中では「You are el rata alada」というメッセージから、バットマンは「You are el＝URL」という推理をし、リドラーのウェブサイトにアクセスをした。このサイト、劇中とポストクレジットシーンで登場するのだが、なんと実際にアクセスが可能なのだ。
下記のリンクをクリックしていただくか、rataalada.comと検索していただくと、リドラーからのメッセージに辿り着くことができる。
このサイト、現時点では謎だらけだ。筆者は3月11日から3月12日にかけて何度かアクセスしているのだが、表示される内容が変化している。時間帯か、ブラウザによって変わるのか、法則は不明だがリドラーからのメッセージを確認することができる。そして、彼からのリワードとして、暗号が記された画像等も確認することができる。
リドラーからの暗号に挑戦
さて、リドラーからのリワードの一つである、「Its_Not_Over_Yet.jpg」の解読に挑戦してみよう。
劇中でも登場した、特徴的な文字を使った暗号文で、単一換字式暗号文と呼ばれるものである。
一つ一つの記号をアルファベットに置き換えることができ、頻度分析等を用いて解読することができる。
単語毎に区切られているため、初心者でも時間をかければなんとか解くことができるだろう。
以下暗号のネタバレあり
衝撃のメッセージ
とても時間がかかったものの、コツコツと暗号を解読したところ、下記のメッセージが浮かび上がった。
you think im finished but perhaps you dont know the full truth
リドラーからのメッセージ？
every ending is a new bigining
something is coming
上記の文を訳すと以下の通りだ。
あなたは私が終わったと思っている。しかし、おそらくあなたはすべての真実を知らないだろう。
すべてのエンディングは新たな始まりだ。
何かが来る。
すでに本作を鑑賞した人にはピンと来たことだろう。このメッセージは続編への布石である。
ちなみにこのサイト、他にも意味深な画像等が載せられている。興味のある方は暗号の解読を試みてはいかがだろうか。
アーカム精神病院に収容されたリドラーと、バリー・コーガンが演じた謎の男とのやり取りもあったように、次回作でリドラーがバットマンへ復讐のために再登場することが示唆されている。
すべての真実とは何を意味するのか、ファンとしては楽しみでならない。DCEUとは合流せず、独自路線でシリーズが続くことを祈るばかりだ。
