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『ジョン・ウィック』で学ぶ絶対に使えない英単語

2019/10/15

© Lionsgate

【微ネタばれ有】

「ジョン・ウィック」シリーズの会話シーンは至ってシンプルだ。

それもそうだろう、主演を務めるキアヌ・リーブスがまるでゲームのように敵を薙ぎ倒していくアクション映画に最早言葉など必要ないのだ。もしかしたら台詞の数よりも死者数の方が多いかもしれないと思えるほど、単純明快なアクション映画である。

2019年10月4日(金)から公開されている「ジョン・ウィック」シリーズ3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』(原題:John Wick: Chapter 3 - Parabellum)も、物語自体は前2作より複雑になってはいるものの、台詞はシンプルなままである。 

ただ「ジョン・ウィック」シリーズらしく、数少ない台詞もひとつひとつは実に味わい深い。

本稿ではそんな会話の中に登場する単語――それも格好良く、かつ絶対に日常生活では使えなさそうなもの――を紹介していこう。

※今回紹介する単語には英語以外のものも含まれるが、英会話の中で使っても問題なさそうなものをピックアップした。

Excommunicado(エクスコミュニカド)

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ジョン・ウィック用語として最も有名なものの1つとして挙げられるのは "Excommunicado" だ。

『ジョン・ウィック:チャプター2』の終盤に登場し『ジョン・ウィック:パラベラム』では度々使われるこの言葉、実はスペイン語風のスラングで、英語で言うところの "excommunicated" に当たる。

簡単に訳すと「破門される」という意味だ。作中では裏社会から「追放処分を受ける」ことを指す。

あくまでスペイン語 "風" の言葉なので、『ジョン・ウィック』シリーズを観ていない人には通じないかもしれない。だがどこか格好良いのだから、人生のどこかで使ってみたいものである。

例えば、次のような英文はどうだろう。

"I made my wife angry, and now I'm excommunicado."

「妻を怒らせてしまい、家から追い出されてしまった」という実にしょーもない話だが、高尚な雰囲気が出ている。

とっても愚かな内容も単語ひとつ差し込むだけで、ジョン・ウィックの威を借りられている気がしないでもない。

Baba Yaga(バーバ・ヤーガ)

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ジョン・ウィックには「伝説の殺し屋」「死神」「ブギーマン(※)」などなど様々な渾名がつけられている。

※ブギーマンとは、子供達が信じている怪物の英語圏の呼び名。特定の外見は持たない。

何なら「ブギーマンを殺したい時に呼ぶ男」とも呼ばれているくらい、ジョン・ウィックはとにかく強い。

彼に付けられた渾名の中でも特に耳に残りやすいのが "Baba Yaga" だ。Baba Yagaはスラブ民話に出てくる妖婆で、森の中に住んでいる。

なぜ山姥的な渾名を付けられたのかは知らないが、とにかく耳に残る名であることは間違いない。

先程挙げた例文と一緒に使ってみよう。

"I called my wife Baba Yaga, and she's mad at me. Now, I'm excommunicado."

日本語では「妻をバーバ・ヤーガと呼んで怒らせてしまった。今、家から追い出されているんだ」という意味になる。

何故か旦那側に落ち度のある例文になってきたぞ。

Parley(パーレイ)

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『ジョン・ウィック:パラベラム』の終盤、ジョン・ウィックがとある組織間で行われた和平交渉の現場に現れてしまう。

そこでジョン・ウィックは "Parley?"(和平交渉か?)と尋ね、交渉中だった組織の人間が "Parley." (和平交渉だ)と返答する。1単語しか交わされていないのに、ジョン・ウィックの状況が一気に暗転する粋なシーンだ。

この単語は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズでも度々使われているため、聞き覚えのある方も多いかもしれない。

とはいえ外務大臣や海賊、もしくは殺し屋でもない限り使う機会はなさそうな単語だが、先程の例文に登場した愚夫なら効果的に使えるだろう。

自宅からのExcommunicadoを解消してもらうには、妻に一言こう聞けば良い。

"Parley?"

そして妻が "Parley." と返してくれれば、晴れて平和協定の締結だ。めでたしめでたし。

まとめ

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殺し屋ではない読者の方々が今回紹介した単語を使える機会は一生のうちにそうそう無いかもしれない。であるからこそ、これらの単語を覚えているといないとでは天と地ほどの差が生まれそうなものだ。何の差かは知らないが。

"Parley" はともかく、"excommunicado" や "Baba Yaga" はセンター試験にもTOEICにも絶対に出てこない。

ところが英会話で使えばちょっとドヤ顔できるどころか、「ジョン・ウィック」シリーズのファンと一瞬でマブダチになることもできる。

例文に愚夫のストーリーを抱き合わせたことで、記憶にも残り易かろう。例文は決して筆者の体験談ではない。

まとめると、シリーズのファンであればこれら3単語くらいは覚えておいて損は無いということだ。

「ジョン・ウィック」の世界には他にも素敵な言葉がそこかしこに散らばっているので、また機会があれば紹介したいと思う。

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そうた

編集を担当。ホラー映画やサスペンス映画など、暗めの映画が好き。『ジャーヘッド』を愛しすぎてHD DVDまで買ったものの、再生機器は未購入。山に籠って薪を割る生活を夢見ている。

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