あなたは観る映画を選ぶ時には、どういった情報で判断するだろうか。予告編を見て想像を膨らませる、又は出演している俳優や、口コミを参考にすることもあるだろう。DVDやBlu-rayのパッケージ裏の情報で吟味をすることや、レビューサイトで情報収集をすることも映画の楽しみの1つだ。
しかし、そうした情報も無く、なんとなく映画を観ることもある。たまたまTVを点けたら放映していた映画を観ることもあるし、なんとなくパッケージがピンと来ただけでレンタルをしたことは、誰しも経験したことがあるだろう。
私は観る映画を選ぶ時に、あえて予備知識を入れずに楽しむことがしばしばある。予備知識がないことによって、余計な期待を抱かずに作品に集中することができるからだ。予想していないストーリーや、知っている俳優に思わず出会うサプライズを楽しめる。
今回は、私が予備知識なしで出会って感動した映画を紹介しようと思う。
僕はラジオ
この映画は、なんだか感動できそうな雰囲気のタイトルとパッケージだったので直感的にレンタルした作品である。これは、知的障害を持つ青年と、アメフトコーチの交流を描いたノンフィクション映画だ。
タイトルとパッケージから、察しの悪い私は感動的で陽気な音楽映画か何かと勘違いをした。予想していなかった内容だったが、パッケージから予想した以上に爽やかで感動的な映画だった。
キューバ・グッディング・ジュニアと、エド・ハリスだけでなく、キャスト全員の好演が光る。なぜこの作品がもっと有名ではないのか疑問である。内容的にもTVで放映されるべきだろう。是非、1人でも多くの人に知って欲しい作品だ。
ザ・ダイバー
こちらも、キューバ・グッディング・ジュニア主演の映画だ。お前はどれだけキューバ・グッディング・ジュニアが好きなんだと言われてしまいそうだが、出会ってしまうのは仕方ない。それに、『僕はラジオ』から私は彼のファンである。
アメリカ海軍で黒人で初めて「マスターダイバー」の称号を得た、カール・ブラシアの半生を描いたノンフィクション映画だ。これまた、どれだけノンフィクションが好きなんだと突っ込まれてしまいそうだ。
王道なサクセスストーリーだが、キューバ・グッディング・ジュニアとロバート・デ・ニーロの熱演が心に響く。日本映画の『海猿』ファンはきっと感動するだろう。
みんな元気
「なんだこの邦題は!」と思いきや、現代は「Everybody's Fine」と直訳だった。DVDのパッケージから想像されるのは、ありきたりなコメディ。そして、日本ではDVDスルーのため、知名度はあまり高くない映画だろう。
ロバート・デ・ニーロ主演と、期せずとも俳優数珠つなぎのようになってしまっているが、そういう意図はない。しかし、彼らのファンである私は自然と呼び寄せられているのかもしれない。脇を固めるのはサム・ロックウェルにドリュー・バリモアと、豪華なキャストが揃っている。
あのロバート・デ・ニーロが普通のおじいちゃん役で、派手な内容でもない。しかし、涙なしに観れないファミリー映画だ。パッケージからは想像できない程の感動に出会える、隠れた名作だ。
ロード・オブ・ドッグタウン
こちらは、1970年代のアメリカ西海岸のドッグタウンで、斬新なスタイルのスケートボードを生み出したZ-BOYSの実話を基にした映画だ。鑑賞する際には、誰によって脚本が作られたのかを是非チェックしていただきたい。
助演には、あのヒース・レジャーが出演している。もしも近所にあんな兄ちゃんがいれば、刺激的な青春になっただろう。きっと、私もスケボーに夢中になっていたに違いない。そう思わせるほど、彼は何をしていてもかっこいいのだ。
スケボー好きなら、必須の映画だ。スケボーに興味がない人にも楽しめる青春映画になっている。スケボーに乗る彼らがかっこいいだけでなく、彼らの生き様がかっこいい。ストリートファッションも参考にしてはいかがだろうか。
ミッション:8ミニッツ
本作は公開前、「(北米版の)ポスターがダサい」という悪評ばかりが出回っていた。改めて見てみると、確かにどんな映画かまるで伝わって来ないような珍妙なデザインだ。
だが幸い、どんな映画か分からない方が本作をより楽しめる。というのも、本作は主人公が目を覚まし、自分が誰なのか、そしてどこに居るのか分からないところから始まる。全く予備知識無しに観ることで主人公と同じ状況に立てるのだ。
そして主人公に自分を重ねて謎を解いた先には、SF作品らしい想像を超えた結末が待ち構えている。本作の監督は、SFサスペンスばかり作るわりには “優しいエンディング” にこだわるダンカン・ジョーンズ監督。この映画を観たら、皆さんもシカゴ行きの電車に乗りたくなるはずだ。
今回紹介した作品を、他のサイトで情報収集してから鑑賞するのも、これ以上の情報なしに鑑賞してみるのも、読者の自由である。もちろん、鑑賞しないことも。上記の作品は私が知人によく紹介する作品で、ほとんどの人が初めて知ったといわれる。そして、鑑賞後には好評なラインナップでもある。
この記事をきっかけに観てみようと思う人が1人でもいれば幸いだ。