コラム

クリスマスは恋人の日じゃねぇ! 子どものためのサンタ映画まとめ

2019/12/17

© 2018 - Netflix

クリスマスは決して恋人達が浮かれ騒ぐ日ではない。恋人達にはバレンタインデーがあり、それに日本ではホワイトデーまである。そこにクリスマスまで巻き込み、年に3日も恋人達の日を求めるのは図々しいとしか言いようがない。

浮かれたカップルたちよ。クリスマスはお前たちのための1日じゃない、調子に乗るのも大概にしていてだきたい。

そう、クリスマスに恋人がいない人を負け組扱いすることは間違った風潮である。もしパートナーがいなくてロンリークリスマスを過ごしたって恥じることは無いのだ。

クリスマスの本来の主役は子ども達である。赤い衣装に豊かな白い髭、トナカイと共に良い子にプレゼントを運んでくれるサンタクロースに心をときめかせるのは、カップルなどではなく子ども達なのだ。

そう、クリスマスとは子ども達に夢を与えるため、そして家族のための1日だ。今回はクリスマスの主役である子ども達のためにも、素敵なサンタさんが登場する映画を紹介しよう。

サンタクロース

© 1985 Calash Corporation

1985年に公開された『サンタクロース』は米英合作のクリスマス映画だ。タイトルの通り、サンタクロースのイメージとして最もオーソドックスなサンタを描いた作品である。

14世紀のいつか、クリスマスになると近所の子ども達におもちゃを配る優しい木こりの老人クラウスは、ある夜に妻と共に吹雪に巻き込まれて亡くなってしまう。エルフによって助けられた彼らは、永遠の命をもらいサンタクロースとなる。

時は現代に移り、サンタに嫉妬した1人のエルフが妖精の国を飛び出して悪徳なおもちゃメーカーと手を組み悪事を企む。それを知ったサンタは悪人達から子ども達を守るために人間界へ向かう……。

サンタ誕生秘話から描かれ、北極のエルフのおもちゃ工場等、魔法に満ちた世界を描く本作。子どもにもわかりやすく素敵な映画だが、古い作品のため探すのに苦労するかもしれない。そんな映画を運んでくれるサンタさんがいれば、と大人ながらに思うのは私だけではないだろう。

クリスマス・クロニクル

© 2018 - Netflix

2018年にNetflixで配信された『クリスマス・クロニクル』は、カート・ラッセルがファンキーなサンタを演じるクリスマス映画だ。

パパが亡くなってから悪い友達とつるむようになったテディと、そのことを寂しく感じている妹のケイト。クリスマスの夜にサンタさんに出会った2人が原因で、サンタのソリが壊れてしまう。世界中の子ども達にプレゼントを届けるため、サンタと兄妹がクリスマスの夜に奔走する、という物語だ。

子ども達のことを全部知っていて、大人たちが子どもだった時のことももちろん全部覚えているサンタさん。そりを引くトナカイと共に空を駆け巡り、まるでドラゴンボールのようなスピード感でプレゼントを配るスーパーサンタさんを見られる作品だ。クリスマスに相応しいハッピーなストーリーなので、クリスマスは恋愛ものでなくこの作品を鑑賞するべきだ。

ポーラー・エクスプレス

© 2004 Warner Brothers. All rights reserved.

サンタクロースを信じなくなった少年の前に、クリスマスイブに北極点行きの機関車「ポーラー・エクスプレス」が現れる。少年はパジャマのまま機関車に乗り込み、サンタのいる北極点への旅に出る……。

この作品は、トム・ハンクスが自身の子ども達に読み聞かせていた絵本を映画化したものだ。本作で1人4役を演じたトム・ハンクスが、勿論サンタクロース役も演じている。「機関車トーマス」が証明しているように、子どもは機関車が大好きだと相場が決まっている。機関車とサンタの融合となると、子ども達のハートをがっちり掴むこと請け合いだ。

本作は『フォレスト・ガンプ/一期一会』と『キャスト・アウェイ』に続きロバート・ゼメキス監督とトム・ハンクスがタッグを組んだ作品でもある。2004年のCGアニメーション作品であるため、今ほど映像技術が進んでおらずキャラクターがなんだか不気味というという意見が出るのは仕方ないだろう。

しかし、子どもが大好きな要素が詰まっている作品だ。名優トム・ハンクスが1人の親として愛したこの物語を是非親子で楽しんでいただきたい。

34丁目の奇跡

© 20th Century Fox

1994年に公開された『34丁目の奇跡』は、1947年に公開された『三十四丁目の奇蹟』のリメイク作品である。オリジナル版も評価が高いようだが、筆者は未見だ。

シングルマザーのスーザンはニューヨークのデパートで働くキャリアウーマンだ。ある日、彼女はクリスマスイベントに老人クリス・クリングルを、サンタクロース役として雇う。クリスは自身を本物のサンタクロースと自称しており、誠実な彼は子ども達の人気も高く売り上げは好調。しかし、ライバルのデパートの策略により、クリスは逮捕されてしまう……。

本作は「サンタクロースが存在するか」という命題を法廷に持ち込むという作品だ。だからといって小難しい話ではなく、家族で楽しめるハートウォーミング作品だ。アメリカの法廷がサンタクロースを認めるか否かは、是非鑑賞して確認していただきたい。

ナイトメア・ビフォア・クリスマス

© 1993 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved

1993年の超名作アニメーション『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』は、ハロウィンタウンの王様ジャック・スケリントンが、ふと訪れたクリスマスタウンに憧れてクリスマスを乗っ取るというストーリーのストップアニメーション作品だ。

本作に登場するサンタさんは、ハロウィンタウンの住人に “サンディ・クローズ” と呼ばれており、ロック、ショック、バレルに誘拐されて、ブギーの元へ連れていかれる。歌唱力抜群のブギーが「ウギ―・ブギーの歌」でお出迎えする。実はこのサンタさん結構ノリが良く、英語版ではただ怒っているだけと思いきや、しっかりリズムに乗ってブギーとのデュエットを披露している。ちゃっかりと韻を踏んだ歌詞なので、リリックセンスも十分だ。

乗りの良いサンタにブギーもテンションが上がっているのだろう、歌の最初では醜い老いぼれとディスっていたブギーは曲の終盤でサンタを “Brother” と読んでしまう程にご機嫌になっている。

もちろん、サンディ・クローズはリズム感だけでなくサンタさんとしての仕事ぶりも完璧だ。ハロウィンしか知らないジャックが乗っ取ったクリスマスも驚くべき速さで無事にクリスマスを取り戻している。

さて、今回はサンタ映画を紹介したが、クリスマスは恋人達の日という歪んだ認知を正していただけただろうか。もう大人になったあなたも、童心に帰ってサンタ映画を楽しんでいただきたい。

しかし、私にもしも恋人がいて「一緒にロマンチックな恋愛映画を観よう」といわれてしまえば、許容せざるを得ない。だって、『ラブ・アクチュアリー』大好きだし……。

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