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映画『ライオン・キング』 超実写版のキャストとスタッフがいかに圧倒的か解説

2019/08/04

© 2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

【ネタばれ無】

リメイク作が相次ぐ映画業界で、ディズニー映画もビッグタイトルのリメイクが続いている。最近では『ダンボ』に『アラジン』と名作アニメーションのリメイクが次々に公開され、飛ばし過ぎではないかと心配になってしまう程だ。

2019年7月19日(金)にアメリカで公開された『ライオン・キング』も、誰もが待ち侘びたリメイク作だといえるだろう。

ライオン・キングと言えば、私が高校生の時に好きだった女の子が文化祭でナラ役をしていたことを覚えている。そんな私にとって印象的なナラをビヨンセが演じるとなれば、観に行かない手はないだろう。

日本での上映は2019年8月9日(金)から始まるが、カナダで一足先に鑑賞した私が本作について紹介しよう。

圧倒的な歌唱力

ヒロインのナラは、世界の歌姫ビヨンセ・ノウルズ・カーターが演じている。レコードセールスは世界で1億枚を超え、グラミー賞を始めとする音楽賞においても、数えるのも億劫になるほど受賞歴を持つ。

ミュージカルの本作においてそんなビヨンセの相手役を演じ切ることは、少し歌が上手い俳優ではできない。しかし、今回のキャスティングにその心配は必要ない。

本作の主人公、シンバ役は今注目の俳優ドナルド・グローヴァ―だ。俳優、コメディアン、脚本家として活躍するかれは、『オデッセイ』や『スパイダーマン:ホームカミング』等の話題作に出演し、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではランド・カルリジアン役も演じている。

マルチに活躍する彼は、チャイルディッシュ・ガンビーノ名義で音楽活動もしている。2018年に「Redborn」でグラミー賞の最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞を受賞。そして2019年のグラミー賞では「This is America」で最優秀レコード賞を受賞しており、歌手としての実力も折り紙付きだ。

『リトルマーメイド』でアリエルを演じたジョディ・ベンソンは同作のサウンドトラックでグラミー賞を受賞しているが、主演の2人が出演時点で既にグラミー賞受賞歴を持つというキャスティングは、筆者のリサーチが正しければ、これまでのディズニー作品で初めてだ。

音楽が特に重要であるディズニー作品で、これほどに頼もしいキャスティングは他に無い。2人のデュエットである「Can You Feel the Love Tonight(愛を感じて)」には、誰もがうっとりすることだろう。

圧倒的なサバンナ感

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本作の魅力と言えば、予告編で既に話題になったリアルでもふもふなシンバだろう。

これまでのディズニーアニメーション作品において、動物を擬人化したりデフォルメする手段は多く使用されてきた。しかし、今回の『ライオン・キング』では微塵もデフォルメされていない動物達が圧倒的なサバンナ感を演出している。実写もアニメーションも超えた「超実写版」と称されており、CGを観ているというより、遂に動物が演技をする時代になったのかと感じる程だ。

広大なサバンナやジャングル等、風景もリアルで実写なのかCGなのか区別がつかなくなるシーンもあるほどだ。そして映像だけでなく、音楽もサバンナ感を演出している。

圧倒的なプロデューサー陣

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本作にはオリジナル版でアカデミー賞作曲賞を受賞した天才作曲家のハンス・ジマーが続投している。『グラディエーター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『インセプション』等、映画好きなら誰もが彼の名前を知っているだろう。

オリジナル版で「Can You Feel the Love Tonight(愛を感じて)」を作曲し自らパフォーマンスもこなして、アカデミー賞歌曲賞を受賞したエルトン・ジョンは、新しいエンディング曲「Never Too Late」を引っ提げて本作にも参加している。

そして、サウンドトラックには、ヒットメーカーのファレル・ウィリアムスが参加している。なかなか彼の色が出ているリメイクが楽しめる。特に彼がプロデュースをした「Hakuna Matata(ハクナ・マタタ)」はかなり愉快でおしゃれな仕上がりだ。

音楽的な成功が約束されている贅沢過ぎる布陣で、耳が幸せになること間違いなしだ。

圧倒的な助演達

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もちろん、主演の脇を固める助演たちも圧倒的だ。

ヴィランであるスカーを演じるのは、キウェテル・イジョフォーだ。彼が演じるスカーは、不気味であると同時に圧倒的なセクシーボイスが印象的だ。セクシーボイスと優れた歌唱力を披露する「Be Prepared(準備をしておけ)」には注目していただきたい。

ちなみに、シンバの父であるムファサ役のジェームズ・アール・ジョーンズは、ダース・ベイダーの声を演じている。こちらは優しく逞しい声で圧倒的な父性を感じさせる。

そして、ディズニー映画には欠かせないコメディリリーフ(※)には、オリジナルでも人気の高いティモンとプンヴァも良い味を出している。ティモン役はコメディアンのビリー・アイクナーが演じ、プンヴァ役は個人的に友達になりたい俳優であるセス・ローゲンが務めている。

※シリアスな場面等で緊張を解きほぐすために現れる、滑稽な登場人物や場面のこと。

圧倒的なハクナ・マタタ感を楽しめる2人の演技はイメージ通りで、大いに笑わせてくれる。

まとめ

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近年続くリメイクラッシュに、正直嫌気が差している方も少なくは無いだろう。私もその1人ではあるが、本作のようにストーリーは同様でも表現が刷新されたことで印象に変化がある。

新しい解釈での展開や、優れた俳優や曲のリメイクを楽しむという意味では、リメイク作品も良いものだ。そして、何よりオリジナル版を観た子どもが大人になり、子どもと一緒にリメイク版を観に行けるという楽しみ方も素敵ではないか。

そして、ビヨンセが制作した本作のインスピレーションアルバム『The Lion King: The Gift』もリリースされた。本作に加えて、こちらのアルバムもチェックしていただきたい。

あらゆる面で圧倒的な本作の日本公開に向けて、今一度オリジナルを鑑賞し、予告編を楽しみながら “Be prepared!”

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