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『蜘蛛の巣を払う女』をより楽しむための予備知識

2019/01/13

© COLUMBIA PICTURES / SONY All Rights Reserved.

【ネタばれ無】

2019年1月11日(金)から『蜘蛛の巣を払う女』が公開された。

全世界で800万部を売り上げたスウェーデンの作家スティーグ・ラーソンの推理小説『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を原作として2011年に公開された『ドラゴン・タトゥーの女』の続編だ。

実はこのシリーズ、3作目までは2009年にスウェーデンで映画化されており、2011年の映画はハリウッドリメイク作品である。今回の『蜘蛛の巣を払う女』は小説「ミレニアム」シリーズの第4作目『ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女』を原作とし、この作品は初の映像化だ。

『ドラゴン・タトゥーの女』の物語から3年後が舞台の今作は、キャストもスタッフも一新されている。、作者のスティーグ・ラーソンが第4部の完成を待たず急逝したことにより、原作の執筆はダヴィド・ラーゲルクランツに託された。

上記の通り、キャストやスタッフが一新したおかげか、今作は「ミレニアム」シリーズが初めてという人も問題なく楽しめる内容になっている。

だが今回は、劇場公開中の本作をより楽しむための予備知識と今作の見どころを紹介していこうと思う。

リスベット・サランデル

本作の主人公は天才ハッカーのリスベット・サランデルだ。前作ではルーニー・マーラがこの役を演じ、アカデミー主演女優賞にノミネートされている。

今回はNetflixのシリーズ『ザ・クラウン』でゴールデングローブ賞女優賞(ドラマ部門)等を受賞したクレア・フォイがこの役を引き継いでいる。

パンキッシュな風貌が印象的な彼女は、フリーランスの調査員であり、女性を傷つける男性に罰を下すダークヒーローとして活躍している。優れたハッキング能力を持ち、心身共にタフな面も持ち合わせている。

今作では前作とは違い、アクションシーンが多くなっている。小柄なリスベットが、身体機能では敵わないような相手にも抜群の判断力で立ち向かう姿が本作の見所のひとつだ。彼女1人でも強力なのだが、1人の力では限界がある。そんな彼女を支える協力者の存在も、本作を楽しむ上では欠かせない。

リスベットの協力者たち

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前作での主役であるミカエルも、本作で登場する。彼の魅力についてはこちら記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしていただきたい。今作ではダニエル・クレイグからスウェーデン俳優のスベリル・グドナソンに引き継がれている。非常に残念ながら、前作のような眼鏡使いは見られない。

『ドラゴン・タトゥーの女』における仕事のパートナーであったミカエルとリスベットは、今作で再会を果たす。ほろ苦いラストを迎えた前作だが、彼女に救われた彼がどのような活躍を見せるのか、そしてリスベットへの彼の想いが気になるところだ。

また、ハッカーとしての仲間であるプレイグも今作に登場する。「ミッション・インポッシブル」シリーズにおけるルーサーのような立ち位置だった彼の活躍も見所の1つだ。

実は本作では彼ら以外の協力者も登場する。孤高のリスベットに協力するチームの働きも本作の魅力だ。

リスベットの妹 カミラ

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本作のキーパーソンとなるのが、リスベットの妹カミラだ。前作では名前すら言及されなかったが、彼女の登場により、リスベットの過去が明かされることとなる。幼い頃に生き別れた姉妹の因縁が本作の主題となる。

髪も眉もブロンドで鮮やかな赤い服を身に纏う彼女は、全身黒でパンキッシュな姉のリスベットとは対象的だが、どこか似た雰囲気を持つ不思議な女性だ。

2人にどんな過去があったのか、そして何故カミラはリスベットに恨みを持っているのか。浮世離れした姉妹の運命を是非劇場で確かめていただきたい。

感想

とにかくかっこいいオープニングや構成は前作を踏襲されていて、新しい「ミレニアム」の映画となっている。クレア・フォイも今までの役柄とは大きく変わりながらも、見事な演技でした。生々しい描写はマイルドになり、スタイリッシュな映像で、前作と雰囲気は異なっている。

『ドラゴン・タトゥーの女』は過激な描写と、古典的なミステリーの融合で独特な世界観が印象的だった。今作ではアクション要素が強くなり、続編という印象は薄くなっている。「ボーンシリーズ」や「ミッション・インポッシブルシリーズ」が好みの方は楽しめるのではないでしょうか。


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