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ライアン・レイノルズのプロフィールや逸話まとめ

2019/05/06

Becoming Pikachu - YouTube

【ネタばれ無】

『名探偵ピカチュウ』の予告編を観たとき、「ピカチュウの声、大丈夫か?(色んな意味で)」と思った映画好きは多いのではないだろうか。

2019年5月3日(金)に公開された『名探偵ピカチュウ』はライアン・レイノルズが声を担当するおっさんなピカチュウが “可愛い” と評判だ。

ファミリー向けなジョークを飛ばしまくる、マイルドでコミカルなおっさんぷりは確かに見事で、日本では今後「ライアン・レイノルズ=ピカチュウの人」との認識が広がっていくだろう。

しかし私たち映画好きは忘れてはいない。彼がR指定映画『デッドプール』で下ネタをガンガン飛ばしていたおっさんだということを。

そして私は『名探偵ピカチュウ』を観た方々に言いたい。「ピカチュウもすごかったけど、ライアン・レイノルズはすげーんだぞ(色んな意味で)」と。

というわけで今回は、同作でピカチュウを演じるライアン・レイノルズが一体どのようなおっさ……俳優なのかを、様々なエピソードを交えて紹介していきたい。

基本プロフィール

© 2015 - Focus Features

本名は「Ryan Rodney Reynolds」。祖先をアイルランドとスコットランドに持つ彼は、1976年10月23日、カナダはブリティッシュコロンビア州バンクーバーに生まれた。

俳優としてのデビューを飾ったのは、1991年にカナダで放映されたTVドラマ『Fifteen』(カナダでのタイトルは『Hillside』)。本作は米フロリダ州で撮影されたもので、シリーズ終了後に彼はバンクーバーへと戻ることになる。

カナダに戻ってからは『Ordinary Magic』や『アーミー・エンジェル』などに出演するものの当たり役には恵まれず、一度は演技の世界から距離を置いてしまう。

だが、郷里を同じくする俳優クリス・ウィリアム・マーティンに誘われ、再び俳優の道を歩むことを決意。彼と共に、ロサンゼルスへと拠点を移す。

そして1998年、TVドラマ『Two Guys and a Girl』のバーグ役を勝ち取った。本シリーズのシーズン1は批評家からの酷評を受けたものの、シーズン2は制作陣のテコ入れもあり話題となる。

その後は『ブレイド3』やリメイク版『悪魔の棲む家』などのハリウッド映画にも出演するようになり、着実にアメリカでの人気を確立していく。

彼が出演する映画自体が高い評価を得られたわけではなかったが、2007年にピープル誌より “最もセクシーで多才な男性” との評価を得たことからも、彼の北米での人気具合が伺えるだろう。

©20th Century Studios

2009年に『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』でアメコミ界における人気キャラクター「デッドプール」を演じたことも(当時は悪い意味で)話題となり、『あなたは私の婿になる』『[リミット]』等、続々と映画に出演するようになる。

『グリーンランタン』という、最も評価の低いヒーロー映画の1本に数えられるような不作にぶち当たりこそしたものの、コメディ俳優としての才覚は観る者を惹きつけ『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』『デッドプール』などの大作に立て続けに出演。

特に『デッドプール』『デッドプール2』で全開となった “レイノルズ節” は、原作ファンも唸るほどのデッドプールっぷりで、今ではライアン・レイノルズの代名詞とも言える役となった。

そんなセクシーでコミカルな彼が、『名探偵ピカチュウ』であのピカチュウの声役を射止めたというわけだ。

“キャラ似てるから” で始まったデッドプール

© 2004 New Line Cinema.

ライアン・レイノルズ史上最大の当たり役と言っても過言ではないデッドプールだが、実は彼がデッドプール役に興味を持ったのは『ブレイド3』が公開された2004年頃だったという。

彼は同作の撮影中、制作会社の重役にデッドプールのコミックを渡され、「君が『ブレイド3』で演じるハンニバル・キングは、とどのつまりデッドプールのように強くてお喋りなキャラクターなんだ」と言われたのだという。また、その際に「どうせならデッドプール役もやれば?」と冗談めかして告げられたそうだ。

奇しくも同年、デッドプールのコミック中でデッドプール自身が「俺はライアン・レイノルズとシャーペイ犬を掛け合わせたような顔」と冗談を飛ばした。レイノルズもこのジョークを気に入り、デッドプール役に興味を持つようになる。

ここから幾多の版権問題を乗り越え、ようやく2009年の『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』でデッドプールを演じたのだが、原作の設定を微塵も活かさずに描かれたデッドプールの姿に多くの観客が失望した(レイノルズは悪くない)。

実は『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』の公開時にはデッドプールを主軸に置いた映画の制作準備が始まっていたそうだが、同作の酷評もあってか制作は一向に進まなかった。

それでもデッドプール役への興味を失うことが無かったレイノルズは、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』などの映画で特殊効果監督を務めていたティム・ミラーと組み、『デッドプール』のサンプル映像を作成。

このサンプルを制作会社が痛く気に入り、『デッドプール』の制作へとつながった。

ちなみに各作品のデッドプールの台詞の中には、レイノルズのアドリブがそのまま採用された物もある。

黒歴史が妻との出会い

© 2011 Warner Bros. Entertainment Inc.

上述の通り『グリーンランタン』はライアン・レイノルズが出演した映画の中でも著しく評価が低い。

そのダメ映画っぷりは本人も認めているようで、『デッドプール』『デッドプール2』でも散々ネタにされ続けている。

だが、レイノルズ個人にとって同作は “当たり” だった。というのも、同作で共演したブレイク・ライブリーと後に結婚することになるからだ。

レイノルズは彼女との間に2人の子をもうけており、「子供を授かる前は信じられなかったけど、髪を6時間梳かした後に突然瞬きするのを思い出すくらいだよ」とインタビューで語るほどの子煩悩っぷりだ。

また、『デッドプール』の宣伝で各地を回った際、レイノルズはファンの期待に応えられるか不安だったそうだが、その時に彼を支えてくれたのもライブリーだったという。

レイノルズとパーキンソン病

Parkinson's News Today

レイノルズは父親と疎遠だったそうだ。インタビューでは父親との関係を「父親は謎が多い人で、腹を割って話をしたことが無いんじゃないかと思ってしまうくらいだ」と語ったことがある。

そんな彼の父は1996年にパーキンソン病を患い、レイノルズは父の闘病を見守ることとなる。そんな折、レイノルズは父と同じくパーキンソン病と戦う名優マイケル・J・フォックスと出会った。

フォックスがパーキンソン病に苦しむ人たちの為に情熱と誠意を以て活動している話に感化されたレイノルズは、「フォックスのために何かしなくては」と考え、ニューヨークシティマラソンを完走する、とフォックスに申し出たそうだ。

ランニングすら嫌っていたレイノルズだが、父親の病状は悪化の一途を辿る。レイノルズは「パーキンソン病の人たちが毎日自分の体と戦っているように、自分も自分と戦わなくては」と自らを奮い立たせ、何ヶ月にも渡って早朝トレーニングを実施した。

そしてフォックスとの出会いから1年半が経った2008年、レイノルズはニューヨークシティマラソンに参加した。その際、フォックスが設立した「マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団」が抱えるチャリティーアスリートチーム “TEAM FOX” のユニフォームを身に纏い、見事フルマラソンを完走した。

レイノルズの父は闘病の末2015年に他界してしまったが、レイノルズはその後も精力的にチャリティーを行っている。

その他の豆知識

  • 身長188cm。
  • 高校の演劇の授業で単位を落としたことがある。
  • 高校時代、嫌われ者の教師の車を友人たちと持ち上げて別の路地に運んだことがある。カナダでは他人の車を10フィート(約3メートル)以上動かすと犯罪と見做されるため、レイノルズは退学処分となった。
  • 父が王立カナダ騎馬警察官だったこともあり、3人いる兄のうち1人も騎馬警察官に。ライアン・レイノルズも、俳優になかったら兄と同じ道を歩んでいたという。
  • 『ブレイド3』では、筋骨隆々なキング役を演じるため10キロの増量を果たした。
  • 2008年から2011年まで、『アベンジャーズ』のブラック・ウィドウ役などで知られるスカーレット・ヨハンソンと結婚していた。
  • 2010年のピープル誌では、「地上で最もセクシーな男性」と評された。
  • 『[リミット]』の撮影のせいで、閉所恐怖症になった。
  • グリーンランタン役をオファーされた際、FOX(「X-メン」シリーズの映画プロダクション)に「デッドプールの映画を作らないなら、グリーンランタン役を受けるぞ」との脅迫状を送った。その甲斐むなしく、デッドプールの制作は延ばし延ばしにされ、グリーンランタン役を受けることとなった。
  • 無類のバイク好きで、特にConfederate社のHellcatがお気に入り。「バイクでこけた時に肌が引きちぎれないような服が好き」と発言したことも。
  • エア・カナダのCMに出演している。しかし、スカイダイビング中にパラシュートの不具合に見舞われて以来、飛行機恐怖症となった。
  • ニューヨーク州北部に農園を保有している。
  • DCコミックスのヒーロー、フラッシュ役に興味を示していたことがあった。
  • 2018年頃、アメリカの市民権を得ている。
  • 「カナダ生まれなおかげて、親切な人間になれた」と発言したことがある。

コミカルで適当なおっさんだが、真面目なところは真面目。デッドプールやピカチュウを地で行くのがライアン・レイノルズという俳優の魅力だ。

『デッドプール』については「制作会社が許す限り何度でもやりたい」と言うくらい役にハマっているようだが、『名探偵ピカチュウ』でも家族を巻き込んだネタ動画を公開したりと、どうやらピカチュウ役を気に入った様子。

早くも続投の声が聞こえてくるほどの新たなハマり役を、是非劇場で見届けてもらいたい。

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そうた

編集を担当。ホラー映画やサスペンス映画など、暗めの映画が好き。『ジャーヘッド』を愛しすぎてHD DVDまで買ったものの、再生機器は未購入。山に籠って薪を割る生活を夢見ている。

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