新作

ブリー・ラーソンのプロフィールや逸話まとめ

2019/03/18

© Marvel Studios

2019年3月15日(金)、アメコミ映画の歴史の転機となる『キャプテン・マーベル』が公開された。

MCU(※)の21作目にあたる本作は、総集編である『アベンジャーズ:エンド・ゲーム』への最後の布石だ。マーベル・ファンたちからの期待が最高潮に達しているなか、絶対に失敗できない作品だと言っても過言ではない。

※マーベル・シネマティック・ユニバースの略。『アイアンマン』から始まり、『キャプテン・アメリカ:ファースト・アベンジャー』『アベンジャーズ』など一連の映画群を指す。

しかも、女性の単独主演はMCUにとって初めての試みだった。そんな映画で主演を務めるプレッシャーは、筆者のような常人では計り知れない。

だが、主演に抜擢されたブリー・ラーソンは、プレッシャーなどものともしない、まさにスーパーヒーローになるべくして生まれてきたような演技を見せた。MCUの命運は、物語的にも興行的にも、彼女の手に託されたと感じた方は多かったはずだ。

今回は、本作の主人公「キャプテン・マーベル」を演じるブリー・ラーソンが一体どんな人物なのか、様々なエピソードを交えて紹介していきたい。

基本プロフィール

© Marvel Studios

ブリー・ラーソンは、カリフォルニア州・サクラメントにて1989年10月1日に生まれた。本名は「Brianne Sidonie Desaulniers」だが、Desaulniersが難読名であるため、曾祖母の名字である「ラーソン」を芸名にした。(子どものころに持っていたKirsten Larson人形から取った、とも言われている)

6歳にして演技を学び始め、当時としては最年少で「American Conservatory Theater(※)」に入団。いくつかのTVドラマの端役を経て、12歳の頃にコメディ・ドラマ『Rising Dead』のレギュラーに抜擢される。直後にはディズニー・チャンネルのドラマにも出演している。

※サンフランシスコを拠点にする非営利の劇団。

その後、青春ドラマやダーク・コメディなど幅広い映画に出演。彼女の演技力が注目されたのは、2007年に公開されたインディー映画『Remember the Daze』だ。アンバー・ハードやレイトン・ミースターなどのメインキャストを押さえ、バラエティ誌をして「シーンを完全に自分のものにした」と言わしめた。

2009年には、スティーブン・スピルバーグ原案のドラマ『ユナイテッド・ステイツ・オブ・タラ』にケイティ役としてレギュラー出演。人気を確たるものとする。

さらに、2015年に公開された『ルーム』で7年間監禁された女性「Ma(ママ)」を演じ、世界中から高い評価を受ける。各種映画賞の主演女優賞を総なめにし、「演技力が頭一つ抜けている女優」としてその名を轟かせる。

©StudioCanal

加えて、『キングコング: 髑髏島の巨神』で「アクション映画に出ても輝ける」ことを証明し、スーパーヒーロー役に相応しい女優であることを示した。

賞の数々は「他者との繋がり」を示すもの

© 2015 Warner Bros. Entertainment Inc.

そんな彼女だが、学校では決して人気者ではなかった。彼女はインタビューで、自身が「存在していないも同然だった」と語ったことすらある。周りの子供は自信に満ち溢れていたが、彼女には困惑しかなかったのだ。

そこで出会ったのが、「映画」だった。現実では恐ろしくてとてもできないような経験も、映画でなら疑似的に体験できる、と感じたそうだ。

こうした少し変わった物の見方は、彼女がスターになった今、彼女の魅力となりつつある。

ブリー・ラーソンは『ルーム』にてオスカーを受賞したが、「生活が変わることはない」とコメントしていた。オスカーを取ったからといって、ゴミ出しやペットの犬の世話を止めるわけではない、と。

しかし、彼女は数々の賞は、彼女の努力が認められた証であり、彼女はそれだけで十分なのだという。他者から認められる、他者と繋がることが出来るなんて、自分にできるわけないと思っていたからこそ、それだけで心が満たされるのだそうだ。

オスカーを勝ち取ったら、俳優・女優としてのキャリアのステップアップを考える人が多数を占めるなか、彼女の謙虚な姿はより一層輝いて見える。

役へのこだわりが超人的

©StudioCanal

6歳から演技を学び続けているというだけあり、彼女の演技に対するこだわりは尋常ではない。

彼女にオスカー像をもたらした『ルーム』では、撮影に際して1ヶ月部屋から出ずに過ごしたのだという。監禁状態を想定し、ビタミンDの摂取やシャンプーの使用も制限した。

役を完璧に演じ切るために、離婚の際に声を殺して泣いていた母の姿を思い描いたとも語っている。

また、キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)役を演じるにあたっても、9ヶ月に及ぶトレーニングを行った。「役を演じるために絶対必要、という訳ではなかったけど」とインタビューで語っているが、いち個人としてキャプテン・マーベル役に近づくためには重要な準備だったとしている。

彼女はトレーニングの末、200 lb(90.7 kg)のデッドリフトを上げられるようになったそうだ。体格にもよるが、筋トレをしない女性のデッドリフト平均値が23 kg~50 kg程度であることを考えると、ブリー・ラーソンの気合いの入れようが伺える。

脚本・監督もできちゃう

© Marvel Studios

ラーソンの女優としての技量の高さは衆目の一致するところだが、彼女の才能はそれだけではない。

彼女が2012年に共同脚本・共同監督した短編『The Arm』は、サンダンス映画祭で短編映画審査員特別賞を受賞している。本作はコメディ寄りの脚本が高く評価されており、彼女の脚本家としての才能を感じさせるには十分だ。

キャプテン・マーベル役をも射止めて人気スターとなった彼女だが、その傍らで長編映画『Unicorn Store』の制作にも着手。長編映画の監督は初めてだが、Netflixが独占配信権を買い、アメリカでは2019年4月5日(金)に配信が開始される予定だ。

本作は『キャプテン・マーベル』でも共演しているサミュエル・L・ジャクソンも出演している。映画ファンなら誰でも知っている名優まで出演しているのだから、その出来の良さは約束されているも同然だ。

Netflixは更に、実話をもとにした人間ドラマ『Lady Business』にもブリー・ラーソンを起用した。現時点では主演を務めることになっているが、彼女が監督を兼任する可能性もあるのだという。

プロの歌手でもある

© 2010 Universal Studios

「天は二物を与えず」という言葉が真っ赤な嘘であることは、子どもでも知っている。だが、ブリー・ラーソンは何物を与えられたのか分からない程、才能の幅が広い。

彼女は13歳にしてユニバーサル・レコードと契約してメジャー・デビュー。2005年にファースト・アルバム「Finally Out Of P.E.」を発表し、米国内でツアーを行った。

ちなみに、アルバム名は「ようやく体育の授業が終わった」という意味で、彼女の高校生活に多大な苦痛をもたらした高校の体育教師に捧げられたものだ。

しかし、歌手としてよりも女優としての活躍の場が増えてきたため、歌手活動は自粛するようになったのだという。このことについて彼女は、「平日に様々なキャラクターを演じて、週末にポップ・シンガーになるのは嫌だった」と語っている。

今となっては音楽制作に注力していないようだが、トークショー「The Jonathan Ross Show」にて短いながらも『アリー/ スター誕生』の「Shallow」をサミュエル・L・ジャクソンと共に熱唱している。是非チェックしてもらいたい。

その他の豆知識

  • 身長170cm。
  • 幼少のころから、家族の協力を得てホームメイドの映画を制作していた。
  • 『Hoot』には、原作である「Hoot ホー」を読んでから出演した。
  • 女優として初めてテレビに出演したのは、1998年の「The Tonight Show with Jay Leno」。コントに出演。
  • 2005年、ジェシー・マッカートニー(「キングダムハーツ」シリーズでロクサスの声優もしてるミュージシャン)とツアーを行ったことがある。
  • カラオケの十八番はアッシャーの「Burn」。
  • 役にこだわるあまり、望んだ役を得られない映画業界を何度か辞めようと思ったことがある。
  • 写真やインテリアデザイン、動物のトレーニングなどの道も考えたが、結局演技にこだわろうと決めた
  • 「スーパーマリオブラザーズ」「メトロイド」シリーズが好き。サムス・アラン役に興味を示す発言も。
  • ビーガン(純粋菜食主義者)である。
  • ジェニファー・ローレンス、エマ・ストーン、エイミー・シューマーらと親しい。
  • 英語のほか、フランス語も話せる。
  • 喘息持ちであることを明かしている。
  • プロムには行かなかった(その頃は自宅で学習していたため)。

今回紹介したエピソードからも垣間見える通り、彼女は自分のことを “内向的” だと思っているそうだ。彼女の生き様はストイックで、何をやらせても光り輝く、まさにスーパーヒーローのようではなかろうか。

そんな彼女がMCU最強のヒーローを演じた『キャプテン・マーベル』を見逃す手は無い。これからも映画業界を闊歩していく彼女の勇姿を、是非劇場で見届けて欲しい。

あわせて読みたい

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

そうた

編集を担当。ホラー映画やサスペンス映画など、暗めの映画が好き。『ジャーヘッド』を愛しすぎてHD DVDまで買ったものの、再生機器は未購入。山に籠って薪を割る生活を夢見ている。

-新作
-, ,

Copyright© Sabot House , 2024 All Rights Reserved.